自滅

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そして、何故自分が人を滅ぼそうとしたのかを話し始めた。 「強いて言うなら弔いかな? 最初俺には自我は無かったんだ。だが俺は食らった相手の知識を吸収する、だからある日俺は自我に芽生えた。 そして俺を作るために大量の命が犠牲にされるのを見てきた。その中には人が禁忌と指定するはずの人間の犠牲もあったし、同じ人型なのに人間扱いされない亜人の犠牲もあった。 俺は俺の制作者を恨めしく思ってな、さらに俺という"兵器"に丸投げしてのうのうと暮らす人間達も恨めしく思った。 だからまずは人間を滅ぼそうと思った。だがそれだけでは俺を作るために犠牲になった者達が浮かばれない、だから魔王城に攻撃しようと思ったんだ。」 彼の言葉には、自嘲や痛恨の思いが多く入り乱れていた。ルドーは彼の言葉を聞き口を開く。 「決めました、貴方の名前はベルズスです。魔王城で暮らしてみませんか?」
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