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「ご明察、良くわかったねぇ。弟くんから聞いたの?」
「ええ、滅多に来訪者のない田舎ですから。それに先生の喋り方は特徴あり過ぎですよ。」
先生は「そう」と言い、すくっと立ち上がり、
「あんまり渋り過ぎたら、キミの家族が危ないかもね?」
妖しい目つきで笑った。
同じく直ぐに立ち上がり目線を合わせる。
「…もし、家族に手を出したら…殺しますよ?先生の大事な仲間を順番に、ね。」
今度は先生の眉がピクリと動く。
「仲間を殺されるんだったら、先にキミを殺しておくかな。」
物騒なやり取りを楽しんだ先生は、歩き出し障子の前に立った。
どうやら、帰ってくれるようだ。
サッと動き障子を開けたら、先生が通り過ぎ先にスタスタと歩いて行く。
後ろを静々ついてってお見送りをしたら、先生の相手はおしまいだ。
見送りには丁寧に女将まで出て来た。
「先生ぇ。」
女将は毎度、しな垂れかかるのが定番になっている。
頑張って媚び売ってんなぁ~とか眺めてんのが常だけど、この日は…余計なモンを見てしまった。
キラーン!
って…今なんか光りましたけど?
まさか!今のは女将の涙!?
ーーーって、違あぁうっ!
あっ、あれは…金か銀だっ!!
なんで?まさか先生のお見送りの時、寄り添ってたのは…金子の受け取りだったの!?
本来の払いとは別のこの過払いは、一体なんの為に?
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