♯24 正しい事

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          【 1 】    事件から、一年が過ぎた。  徳居内閣は、公約通り税収のカラクリによって政治家に流れていた金を使い、税率は変えずに諸問題の解決に邁進している。  問題が解消されれば、税率も下がってくるだろう。  国民も、それを信じているフシがある。  それ故、徳居総理の支持率は高く、前総理である愛原が受けていた最高支持率よりも高かった。  戦後、最高の総理の呼び声も高い。  そうなると気になるのは、一年前に逮捕された政治家たちだが、こちらは人それぞれである。  まず、逮捕者全員が未だ裁判中である。  そもそも、罪状が多過ぎる。  税収のカラクリによる不正所得に始まり、企業や暴力団との癒着など、指折り数えようにも十本の指では足りない程。  当然、裁判は長期化する。  多岐川 沙菜のところから押収した証拠がありながら、裁判が長期化するあたりは、政治家たちの悪あがきとも言えよう。  それを見ると、一年前の公約の信憑性は限りなく低い。
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