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そう言った意味では、多岐川 沙菜のした事は大きかった。
殺人などの犯した罪を考えなければ、政治家の悪を白日の下に晒し、警察組織の怠慢さを国民に知らしめたのだから。
多岐川 沙菜は、天使か悪魔か。
その美貌からも、そうした論議がなされていると言うが、結局のところそれを明確にするまでは行かないようだ。
それは、誰にも決められない。
やった事を見れば、間違いなく沙菜は悪の存在でしかない。しかしながら、彼女がした事で至った結果には国民の幸せがあった。そうなると、彼女は善行をした事になる。
国民も沙菜を語る時、どのように言ったらいいのかと戸惑う程。
そんな中、クリスマスを目前にしてあるパーティーが開催されていた。
「ねぇ、歌津美ちゃんはまだ?」
「間違いなく参加すると連絡は入ってますけど、何かの事情で遅れてるんじゃないですか」
「あの娘、前回も遅れてこなかったかしら」
「あの時は、参加するか分からなかったじゃないですか」
大沢と真理は、そんな会話をしながらパーティーの準備を進める。
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