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優花は、真理に声をかける。
「やっぱり、橋本さんと庄司さんは不参加なの?」
「うん、同じ捜査一課二係から四人当時に休暇は取れないの。年末近くで、独身者の私たちを休ませる為に、二人が休みを譲ってくれたの」
「そっか、警察官も会社員と一緒なのね」
「会社員っていうより、公務員だから ね」
そう言って、真理は苦笑いを浮かべる。
今回の事件解決の立役者は橋本と庄司であり、二人を仲間と認めているだけに、今回のパーティーには参加してもらいたかった。
しかし、それは仕方ないと割り切った。
「しかし、歌津美ちゃん遅いわね」
そうボヤく真理は、この一年を振り返る。
特別対策室の解散後、大沢たちは二係に戻された。最後の最後で、重大な命令違反をした訳だが、橋本たちも含めて大した処分は無かった。
逆に、表立った評価もされなかったのだが。
対策室は、あくまでもマスコミに対するアピールの為であり、その実績を認めたくなかったのだろう。警察組織のそうした面は、今も変わっていない。
ただ、末端の意識改革は成された。
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