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「今更だけどリョウちゃんが言ってた事、分かってきた」
「何だっけ?」
「彼氏よりも、心許せる友達が大事だって前に言ってたでしょ?」
「言ったね、そんな事。
離婚する気もないのに始めた恋愛は、体の関係を持った時から終わりへのカウントダウンが始まってる。
だから幸せを感じる何倍も辛いと思うよって」
「うん。それ。だったら、ちょっと惹かれるその人とイイ友達でいた方が、ずっとハッピーだと思うって。
あれ、今頃になって身に染みてきた。
先がないどころか別れに向かってる2人に満たされる想いも幸せもあるわけないんだよね・・・。
なのに気づかないで、そこに無い幸せを必死で探そうとして、もがいてた。
それで結局、月が綺麗って伝えたいのは家族以外で、リョウちゃん・なおチャンしか思いつかなかったし(笑)」
「そっか。とうとう目が覚めたか(笑)
そしたら、樹生くんとも友達になれるかな」
「うん。やってみる」
「ヒロは、どうする気?」
リョウちゃんの質問に答えようとしたその時
「向井さ~ん」
看護士さんに名前を呼ばれた。
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