彼女の切なる過去…

4/12
前へ
/26ページ
次へ
「…ちょっとは落ち着いた?」 「うん…。ありがとう。」 僕は気になったことを彼女に聞いてみることにした。 「ねぇ、舞ちゃん…。」 「まい…舞って呼んでいいよ。さっきはそう呼んでたじゃない。」 「さっきは、そのー…。緊急事態だったから。」 「クスっ。だったらもう変わらないよ。私も俊輔って呼ばせてもらうから、これでおあいこね。」 「分かった…。じゃあ舞、聞くけど、そのメガネ…度入ってないよね。」 その瞬間彼女の顔が大きく歪んだ。 「あっ、別に問い詰めようって訳じゃないんだ。言いたくないことなら別に…。」 「ううん…。俊輔には話そうと思う。私の過去を…。」 あの、忌まわしい事件のことを――――。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加