彼女の切なる過去…

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最初はみんな嫌がらせだろう、って気にしてなかったんだけど、だんだんその行為がエスカレートして来たの。 ≪お前が知事を辞めないと、娘の命は保障しない≫ っていう手紙がある時届いたわ。 お父さん、自分のことは全然気にしなかったんだけど、家族にまで危害を加えようとしたことが許せなかったみたい。 本当に辞めようとしてた。 でも、周りが許さなかったみたい。 その代わりに、その頃から私には厳重な監視がつくようになった。 行き帰りは毎日、園まで送り迎えなんて当たり前だったし。 園の中まで毎日違う護衛がついたわ。 最初は前と変わらず接してくれた友達も、だんだんと離れて行った・・・ あの時は悲しかった。 私の何がいけないんだろう、私が何をしたの?って日に日に私は心を閉ざすようになった。 毎日家に帰ると一人で泣く日が続いた。 家族には言えなかった。 だってみんなに心配かけたくなかった。 お父さんもお母さんも毎日悩んでいたのを知っていたから… だけど私はある時限界を迎えてしまった。 あれほど行き帰りは注意しなさい、と言われていたのに。 でもあるとき同じ園の子に言われたの。 「舞ちゃんは、毎日送り迎えとかしてもらえていいね、なんか別の世界の人みたい♪」って… その子に悪気なんてなかったと思うんだけど、あ~、みんなそういう目で私を見てたんだって気付いた。 だから、私は毎日の警護がイヤになって、監視の目を盗んで1人で帰ろうとしたの。 だけど私のそんな無神経な行動が、みんなの恐れていた事件を引き起こしてしまった。
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