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事情が分かったのは次の日だった。
朝になり、「ガラっ――。」という音で私は目覚めた。
ベッドから起き上がると、そこにはずっと会いたかったお父さんがいた。
「お父さんっ!」
私はすかさずお父さんに飛びついた。
「お父さん、お父さんっ…。」
今まで我慢していた涙が一気に溢れ出す。
でも、待ち焦がれたお父さんの言葉はあまりにも残酷な一言だった。
「舞、よく聞くんだ。お母さんが――――。」
一瞬で頭が昨日へとフラッシュバックする。
(そうだ、あの時…)
パンっ―。パンっ―。
銃口は私ではなく、お母さんに向けられていた…。
犯人が私に拳銃を向けるとすぐに、お母さんは私の方に走ってきていて。
男が止まれって言ってもお母さんは止まらなくて…!****
「・・・それで、それで・・・。」
「もういい、舞。もういいから…!」
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