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「おい、そこの奴止まれ」
遂に門番に声をかけられてしまった。俺はその声に従うように歩みを止める。相手は俺の事を怪しいと思っているのか解らないが、警戒しながら段々と俺のほうへ近づいてくる。
相手の手には剣を携えている。ならば攻撃の間合いだって広い筈だ。
そうなると、これ以上近づかれる訳にはいかない。下手したらこの場で切り捨てられる可能性だって大いにあるのだから。
俺と門番との周りで緊張が走る。一歩ずつ近づいてくるのに対し、俺は一歩も動けないでいる。
不味い......。
段々と近づくにつれて自分の血の気が引いてくる分かる。このままだと俺は身動きが出来なくなってしまうだろう。そしたら作戦は失敗だ。
早く何とかしないと......。
しかし時間は止まる訳でもなく刻一刻と迫っている。
そして無情にも終わりのカウントダウンが始まる。
相手の射程距離内まで、3.........2...............1......................
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