この物語の序章

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 ...急にこんな事を語りだすのは馬鹿な話だが最後まで聞いてくれ。  なぁに、ちょっとした昔話だ。  上に立つ人間がこんな奴らでいいのか、と当時の俺は思っていた。このままじゃこの国は滅ぶ、そう思って俺はクーデターを起こした。  自分のやってることは正しい。    少なくとも何かが変ってくれる、自分がこの国の革命に繋がる起爆剤になると信じて......。  いや、そう信じてた......か......。  結論を言うと失敗した。本当に呆気なく作戦は終わった。いや、今思えば作戦と呼べるほどのものでもないか...。  そうして俺は捕まった......。  やっぱり英雄になろうとするのは無謀だったんだ。  俺みたいな人間が、本の世界の住人みたいに何でも成功する訳じゃない......。  夢を描いていた俺に、世界は容赦なく現実を突き付けてくる。
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