異世界転生

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「と、まあこんなものだ。」 神様が簡単に魔法世界の説明をしてくれた。 なるほど。向こうの世界に主要国家が四つしかないという辺りは特に分かり易かった。それに、平和協定が結ばれているのは戦争が無いということだ。それは嬉しい。 でも、魔物が居るなら生き抜くのも難しいのではないだろうか。 「そのために能力を授けるのだ。お前の元から持っている性質に加えて、幾つか能力を加えてやる。」 何故だろうか。心を読まれるのも慣れたものだ。 それにしても……能力か。 「えっと……俺、魔法は使えるんですかね?」 「ああ、お前は元々魔術を使える性質を持っていたぞ。ただ地球とやらがそれを使える環境ではなかっただけだ。」 「そ、そうなんですか……」 ……ってことは、環境さえ整えば魔法───魔術を使えるやつはそこら辺にごろごろと居たわけだ。何だか末恐ろしいな。 「あ、それじゃ……幾つかの能力とは……?」 「む、そうだな……世界の空間バランスを崩さずに、この者に別世界を生きるハンデとなる能力か……」 考えてなかったらしい。どうやらそう簡単に決められるものでもないらしいが。 でも、そんな力が貰えるだけでもありがたい。平穏に暮らせるならそれに越したことはないからな。 「……決めた。『魔力値設定』の能力と『物質状態変化』の能力の二つだ。おまけとして、『“空間に物体を保管出来る”能力』も加えといてやろう。」 「え?えっと、それはどういう……」 「内容は転生後のお前の記憶に刻みつけておく。そのうち自分でその引き出しを開けて見るとよい。」 転生後の俺は機械的な何かなのではないだろうか。思考の引き出しを開ける感覚なんて想像できないぞ。 ピ、ポ、パ……僕ファービー。 ファービーかよ。懐かしいなおい。 「時間がない。最後に一つだけ伝えておく。新たな命として生まれるお前の人生は母体の腹の中から始まる。それは覚悟しておけ。」 「あ、はい………ん?」 ………え?
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