エル・ソルト

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開会式の流れも進み、やがて終わりを告げる。その後に簡単にそれぞれの選手の紹介が行われていった。 そして、いよいよ試合が本格的に始まろうとしていた。 『それでは試合を始めます!第一試合は“火”のお二人から始まります!』 双方の五大貴族から“火”の名家の代表選手が闘技場の真ん中までやって来る。そして、それ以外の八人はそれぞれの国のベンチに待機していた。 その間、フロール王国の“雷”であるイリスは向かいのベンチに座るエルを終始睨み付けていた。 「あの野郎……ボコボコにしてやる……」 「あ、あはは……」 イリスの静かなる闘気に、フロール王国側の“光”の少女は何があったのだろうと思いつつ苦笑いを浮かべていた。 そんな少女の怒りを尻目に、闘技場の真ん中では先ほどまでエルに突っかかっていた“火”の青年と、フロール王国側の“火”の青年が向かい合って立っていた。お互いに武器を構えている。 そして、闘いの火蓋が今、落とされる。 『それでは“火”の試合を開始いたします。それではっ………始め!!』
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