エル・ソルト

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『───おおっと!スローラル王国の“水”が攻撃魔法を当てたぁ!フロール王国代表はダウン!第二試合、スローラル王国が“火”に続いて二連勝したー!』 試合は着々と進み、スローラル王国の“火”と“水”の代表が連勝するという幸先の良い結果となった。 そして、いよいよ三番手のエルの試合が始まろうとしていた。 「やった!勝ったよ!」 「へっ……やるじゃねぇかよ。この調子で次も……って、んだよ次はエルかよ。勝てんのか?」 勝利を喜び、はしゃぐ“水”の少年。その横で、“火”の青年はエルが勝てるはずがないと嘲笑っている。 「僕を誰だと思っているんだい?余裕に決まっているじゃないか。」 「はん、まあ、期待はしねぇがよ。」 一方でエルは自分が勝つと言い張るが、やはり火の貴族の青年は信じられないようだ。 『さあ、試合の準備が整いました!それでは雷の貴族の試合を始めます。各選手は位置についてください!』 「おっと、もう僕の晴れ姿を見せるときが来たようだね。」 「よく言うぜ……」 「フンッ、僕が勝つに決まってる。」 エルは“火”の青年の言葉を無視してベンチから立ち上がり、試合ステージの上へと歩いていく。 その間、エルはまさか自分が負けるはずは無いと言いたげに余裕の笑みを浮かべていた。
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