成金の精進!!

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───────── 修練場に来た。正直な話、ここにきたのは俺が小等部のとき以来である。いつからか俺は魔法の実力ではなく、自分の権力や財力の方に魅力を感じてしまっていた。 情けなくて自分をぶん殴りたいが、仕方ない気がする。今は気を取り直して能力の確認をしよう。 まずは魔力だ。確か、神はその値を設定できるようにしたと言っていた。ちなみにこの世界の十八歳の平均魔力値は約1200らしい。十七歳の時の俺は確か1400程だった。 一応、俺は平均自体は越えていたようだ。それでも五大貴族としては失格とも言える値であるようだ。 俺以外の五代貴族の四人は30000とかだった記憶がある。いつの記憶かは忘れたが、確か弟のアルもそれに近い程の魔力を保有していた。 とりあえず、さっそく設定してみよう。 ……あ、あれ?どうやってやるんだ? 「ッ!!」 瞬間、感覚的に何かが俺の頭の中に流れ込んで来た。思わず顔をしかめてしまう。 「………なんだ、今の。」 妙な感覚だった。脳に直接揉み込むような、生々しい感覚。 ……“俺”はこの世界に来てまだ浅いんだ。今さら些細なことを気にしても仕方ないか。 「ああ、そうだ。『魔力設定』……って、ん?」 先ほどまで、俺はその『魔力設定』とやらの能力の使用方法が分からなかったはずだ。 なのに、何故か今は分かる。あの神が何か仕掛けたのだろうか。 「魔力を設定────30000!」
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