成金の精進!!

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「……?」 かつてない感覚に戸惑ってしまうが、とにかく感動した。何かこう……強い魔法が放てるような感覚。さらに身軽にもなった気がする。やはり魔力は多ければ多いほど良い効果があるようだ。 “彼ら”にとっては慣れたものなのかもしれないが、俺は違う。使い方に気をつけないといけないな。 「『解除』。」 元の感覚に戻った。標準は基本の1400なのだろう。何故だかわかる。 次は……『物質変化』の能力だ。正直これは一番楽しみにしていた。地球の科学と併用すればいろんな物が作れるのではないかもと心躍るものだ。 不思議と使用方法か分かる。これも神の操作というものなのだろうか。 早速修練場の土で試してみよう。 「………おお。」 地面に手を付けて念じたところ、触れた周りが細かい砂になった。これは面白い。 なら、こうも出来るのではないか? 「………おお。」 同じ様に感嘆の声を漏らしてしまう。 とにかく凄い。土は元の状態に戻っている。これで土人形とか作れたらおもしろいのだろうが。 「……? なっ……!?」 俺が頭に適当な土人形を想像すると、修練場の土が勝手に浮き出した。 砂粒が周りの砂粒を集め、形を成してゆく。 「凄い……本当にできた……」 俺と同じ背丈ほどの土人形ができた。とはいっても形だけ。叩けば簡単に壊れそうだ。 同じように、頭の中に浮かぶ“説明書”とやらを確かめると他にも欠点があるようだ。 「純する生あるものには使えない……か。」 当然だろう。何と言えば良いのか、とにかくそれは倫理的にあってはならない事だ。となれば、この能力を使ってそれを作ることも出来ないのだろう。 「っと……この位だった……のか?」 まだ他にも能力は有った気がするが、ど忘れしてしまった。まあいつか思い出すだろう。 「…………」 それにしても、だ。 実に便利だとは思うが使える機会はあまり無いように思える。だからこそ神はこの力を与えてくれたかのかもしれない。この時代、世間は平和だからな。 だが気を付ける必要がありそうだ。 「………」 他にも、どうやら俺はエル・ソルトとして気を付けなければならない事があるようだ。 以前の自分を、払拭したい。 「……まあ、焦らなくても………」 あっ、そうだ。土人形戻さないと─── 「ここで何をしているんです?兄さん?」 「ッ!?」
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