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「ア…ル……」
「俺も、そう考えてる。」
いや、まさか。素振りを見せ始めたのは最近だ。皺寄せが起こるには遅すぎる?
俺に危害が無かったのはかなり前からと言っても良い。
…まてよ?生徒が政治的判断で動き難いなら物理的な攻撃をするはず……
「アルは…魔法の実力で対応してるということか。」
「ほぉ…やっぱりソルトの弟はそんなに強いのか?」
「あいつは一階生では勉強も魔法もトップだ。知らなかったのか?」
「興味無かったからな。」
でも、そう考えると辻褄が合うだろう。権力の乱用を嫌うアルが強さに固執する理由も説明できる。
そして、危険な練習にまで至ったということは……
そうか。
「限界が来たという事か。」
「まあ、そうだろうな。」
「あいつ……誰にも話さずに………」
負けず嫌いであるところは幼い頃から変わっていない。きっと、これからも一人で解決していくつもりか。
「きっと、近々お前さんの弟に危険が及ぶかもな。」
「くっ……限界が来るほど…。
二階生や三階生も関わってる可能性が高い…。」
「だろうな………どうするよ?」
「………決まってんだろ。
アルに『協力』する。」
「『助ける』とは言わねぇんだな?」
「ああ。」
少なくとも、アルの今までの苦労を無駄にする気はない。
「ククク…面白くなってきたな。俺は教室に戻るぜ。」
「ああ、本当に助かった。これからどうすれば良いか分かって来た。」
「気にすんなって。それじゃ。」
「あ、カイル…ーー」
『~~~~~~~♪』
「遅刻だ。」
「あ。」
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