Another ideology2

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ーーーーーーー 「バン兄ぃとあそびたかった……」 「………」 バン・フレイは納得出来ないというような表情で出て行った。それもそうだろう。強引に帰らされたようなものなのだから。 「まあそう落ちこむな。また明日来ると言っていただろう。」 「うん!リル、部屋で遊ぼう!」 「うん……!」 リラとリルは走って部屋から出て行った。いつも元気なこの二人は遊びに全力を尽くしてすぐに寝てしまう。 ついさっきまで寝ていた理由がこれなのだから、子どもの体力の限界がいかに底知れないものかと考えさせられる。 (……フゥ…) ルキは紅茶を飲み干すとソファーから立ち上がり、リラとリル同様に部屋を出た。 向かう先は双子姉妹の二つ隣の部屋。 『………』 (……寝ているのか?) 戸に耳を澄ましたわけではないが、昨日までは僅かに嗚咽音が聞こえていた。 妹達がそれを聞き、戸を何度も叩きながら安否を確認するものだから警戒しているのかもしれない。 メアが部屋に引きこもる事は父親であるルキにとっても予想外の事であった。 始めてだったのだ。メアがまるで仲間を信頼していないような素振りを見せたのは。 幼い頃にも何度か同じ様なことはあったが、それはバンやシェリアと喧嘩してしまったとき。仲間との絆に亀裂が入ってしまったときだ。 だがそのときは、バンは次の日にはもう喧嘩のことを忘れ遊びに来たり、シェリアはエルの仲裁があって直ぐに仲直りしていた。 しかし、今回はそのどれにも当てはまらない。 「メア…起きてるか…。」 『……』 ルキが呼びかけるが返事は無い。やっぱり寝ているのかもしれない。 だが、ルキは言葉を続けた。 「ついさっき…バンが来た。」 『ッ…』 メアは起きている。ルキがそう確信したのはベッドの軋む音が聞こえたからだ。 ここで反応が無ければ引き下がっていたルキは再び口を開いた。 「久しぶりに会ったが、彼も随分と男らしくなったものだ……。一昔前の無鉄砲さはほとんど抜けている……」 『……』 「彼にとって…やはりお前は仲間という肩書きよりも大事な存在なのだろうな……。」 ルキがバンに親密感を持っているのは、バンと幼い頃から何度も会っていたからだ。それこそ、子どもの成長をうかがう父親のように。
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