王立スローラル学園

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俺とココが話しているうちにホームルームが終わった。ティム教諭が大欠伸をしながら教室から出て行く。婚期は遅そうだ。 「今日は何の講義があるんだ?」 「学期始めだから大したことはしねぇよ?今日は午前中に終わるしな。ただ、二限目の闘技大会予選のくじ引きは楽しみだな。」 「な、なに?もうそんな時期か?」 そうだ、忘れていた。毎年この時期には高等部で行われる魔法闘技大会がある。 これは、学年ごとにクラスに関係なく行われる行事だ。この学園の高等部の三階生はおよそ三百人の生徒がいる。それをグループ形式で振り分けるわけだ。 クラスは無関係に振り分けられる。どのクラスの誰と当たるかは全くわからないのだ。下手をすればSクラスと初戦からぶち当たることもあると言う。 その詳細はは大会期間の直前にわかる。 「ま、楽しみっちゃ楽しみだけどよ、どうせ予選でAクラスやSクラスの連中とあたって負けるのが落ちだな。」 「何を言っている……やるからには勝利を目指すべきだろう。真っ向から勝ちに行くぞ。」 特殊能力、主に魔力設定を使わずに戦うなら、恐らく今の俺ではまだ一階生のアルにすら負けてしまうだろう。やはり鍛錬を積む必要がある。 「マジかよ!やる気になってんだなお前。俺も練習に参加させてくれよ!」 ココも感化されてやる気が出たようだ。 うむ、良いこと。
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