王立スローラル学園

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「構わないぞ。一人でするのとはやる気も変わって来るだろう。ココの戦い方も参考にさせてもらうとするか。」 「よっしゃ!でもあんまり期待すんなよ?」 「ああ。」 ココと一緒に修行することになった。やっとスタート地点に立てた気がして嬉しいものだ。 そうして二人で話していると、俺達の元に一人の女子生徒が近付いて来た。 「あ、あの……エル様、質問いいですか?」 「お、俺も!」 ホームルームが終わるとクラスの生徒が恐る恐る質問をしてきた。ココと俺が会話しているのを見て噂の真偽を確かめていたようだ。いや、実はしんじつなのだが。 ───まあ何にしろ、上手くやって行けそうで安心した。 「ふう、学園の後だと疲れが違うな……」 「お、お邪魔しまーす……」 学園を終えた。 その流れでうちで魔法の練習をしようという話になった。場所はソルト家屋敷の修練場。此処ほどうってつけの場所は無いだろう。金持ち万歳。 ココは五大貴族貴族の屋敷に入るのが初めてらしく緊張をしているようだ。シルバ家は中流貴族のはずだが、そこまで居心地が異なるものなのだろうか。 「お帰りなさいませエル様!えと……そちらの方は……」 「突然で悪いなマリー。彼はココ・シルバ。学園の級友だ。」 「コ、ココ・シルバっていいます!よよ宜しくお願いします。」 動揺し過ぎだろう……。 呆れていると俺がマリーはかなり驚いたような顔でココの方を見ていた。どうしたのだろうか。 「エ、エル様の御学友様ッ……!?直ぐにお茶をお持ちします!!」 「あ、俺が自分で───」 「エル様!!お客様なんですよ!?私がお持ちします!」 「そ、そうか?それならよろしく頼む。」 自分で全てするように言われているのだが……まあ、客人を招いてまでそれを貫く必要は無いか。 ───────────── 「さあ、始めよう。」 「ほぇ~……広いな、エルん家の修練場は。」 俺たちは軽くお茶の時間を過ごした後、修練場にやって来た。これだけの広さが有れば好きに暴れられるだろう。 「それで、どうやって修行する?最初は別々にやるか?こんなに広いしな。」 「自分で言っちゃうのか……そうだな、先ずは各個人でやるか。復習から取り掛かりたいからな。」 まずは別々に始める事となった。ココが魔法の詠唱を唱え始めるのを横目に、俺は魔法の発動から確認していった。
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