異世界転生

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「俺は、いや自分は……何故ここに呼ばれたんですか?」 理由を訊かねば。悪い事をしたのにこんなあの世を彷彿とさせる場所に連れて来られたのではたまったものではない。 俺が神様に質問すると、とても意外そうな顔をされた。 「覚えてないのか。お前は死んだのだぞ。」 ほう、成る程。俺は死んでしまったからここに居るのか。良かった良かった、悪い事をしたからではないのか。 「ってえええッ!!俺死んだのか!?」 「ええい、狼狽えるな。うるさいぞ。」 これで狼狽えるなと言う方がおかしい。どうにか落ち着いてやるから少しくらい時間を寄越しやがれ。 「理由があるから呼び寄せたと言っておるだろう。お前は、世界の均衡の調節に使われたのだ。」 「は……?」 何を言っているのかさっぱり分からない。 調節?いったい何のことだ。もっと分かりやすく説明してくれないとわからない。 「まあ聞け。先日の事だ、古い友人から申し出が有ってな……奴の世界の人間一人と、私の世界の人間一人とを取り替えて欲しいと言ってきたのだ。」 「神様って一人じゃないんですか!?」 衝撃の事実だ。ただでさえ神が存在していることに驚いているというのに。「無限と存在する世界を私一人で管理できるわけなかろう、このたわけ者が。」 その常識を知る人間が地球に何人居ることやら。神という存在の物差しで俺をはかるのをやめて欲しいものだ。 「話を戻すぞ。世界には生物の魂の器を受け入れる容量がある。実はな、とある世界で生まれるはずの者の器に、その世界で必要な魔法の能力を備わせる程の容量が無かったのだ。」 む……難しい話だ。だが理解出来ないわけではないな。 「つまり、お前の居た魔法の無い世界に移す必要があったのだ。しかし、お前の世界の容量はすでに生物の魂の器でいっぱいだった。そこで、お前を代わりに私の管理する魔術の存在する世界に転生させようと考えた。」 「ま、魔術……?」 異世界には魔法が当たり前のように存在すると言ってるのだろうか。話のスケールが大きすぎて中々受け入れ難い。
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