異世界転生

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「そ、それで……何で俺だったんですか?」 「丁度目の付くところにお前がおったからだ。」 ちょっと待って欲しい。それはつまり、適当に決めたということではないだろうか。 「誰でもよかったのだ。」 「無差別殺人ですか………?」 神にツッコんだ俺。今なら不敬罪で魂ごと消されても文句は言えない。 「どうせ誰を選んでいても同様になっていた。偶然ではあるが、お前に生まれ変わってほしいと頼むために連れてきたのだ。ひいてはお前を殺そうと何度も試みたのだぞ。」 「なっ……!?」 ちょ、ちょっと待て。段々と思い出してきたぞ……! 部屋を出て直ぐに鉄骨に潰されそうになったり、交差点で車に轢かれそうになったりした。 そしてその後は確か階段の上からベビーカーが転がり落ちて来て………。 「あ!あの赤ん坊は……!?」 「安心しろ。あの子は助かった。」 「そ、そうですか………」 あ、安心した……せっかく腕の中に抱き止めたのだ。助かっていなかったから罪悪感で泣いていたぞ。 「ほう……死んでる身でありながら他人の無事を気にするか。大した坊主だな。」 「いや、自分はもう坊主って歳じゃ────」 「話を戻すぞ。」 俺の話も聞いてくれ。
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