異世界転生

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「さっきも言ったが、お前には異世界で生き返ってもらいたいのだ。頼まれてくれないか?」 ええ?生まれ変わる……?いったいどんな感覚なんだろうか。 前世に未練は……無い。まあ、無いな。 もともと家族も大事な人も居ない環境だったからな。 「わかりました………その役目、自分が承ります。」 正直、当然の承諾と言っても良いかもしれない。魔法が使える世界なんて興味深くて仕方ないからな。 「そうか……それは良かった。正直に言わせてもらうと、お前を元の世界に戻すことはもう出来なかったのだ。」 「先程からお茶目が過ぎてませんか。」 決死の覚悟でしたことなんだろうが、事後承諾が過ぎる。余程切羽詰まった状況だったのだろうか。 「気にするな。」 俺の台詞だ。 いや、もうも気にしても無駄な気がしてきた。そうだ、神だってこうして性格あり気で会話しているのだ。個性だってそりゃあるはず。 「それで……俺は魔法の世界に転生するんですか?」 「そうだ。科学的にはお前の居た世界ほど発展しておらん。」 だが、その世界には魔法があるのだろう。いくら俺に地球の知識があるとしても、その世界で生きていけるのだろうか。 「安心しろ。お前の魂の器に収まる分だけ能力を与えてやる。」 そう言えば、魂には器があるとか言われいた。俺にもあるということか。 「それで、どんな能力があるんですか?」 「そう急ぐな。今からこの世界と魔法について説明してやる。」 長々しい説明は勘弁してほしい。紙とペンが無いと覚えきれないから。 「ここに一生住むか?」 「……申し訳ありませんでした。」 「なら黙って聞いていろ。」 もしかすると、この神様は先程から俺の数々の無礼を許してくれているのではないだろうか。素っ気ない態度を取られるのはそのせいかもしれない。 そうだ、自己暗示をかけよう。 俺は矮小な存在、矮小な存在……。
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