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「暁くんに『真晝は主人公体質だから、ちょっとくらいなら、危ない事しても平気だよ?多分』って、お墨付きをもらってるから大丈夫!」
グッと、親指を立てる猟師。
「疑問系の上に、多分って言っちゃってるのに、お墨付き!?止めてください!」
赤ずきんは猟師から、猟銃を取り上げて、場外に放り投げました。
うん。赤ずきん。そんなもの投げたら危ないです。
「それじゃあ、狼はどうするの?立てないなら、私が井戸に落としてあげようか?」
「立てない量の石を抱えたまま、井戸になんて落ちたら、それこそ本当に死んでしまいますよ?」
「あ、そっかぁ」
さすがにお婆さんが止め、猟師は今分かったと言うように、笑って頷きました。
「姉上、もう黙っててくれませんか…」
赤ずきんは遂に、さめざめと泣き出してしまいました。
「…動けないなら、放っておいて宜しいのでは無いですか?」
お婆さんの冷静な意見に、狼の中の人は命拾いしました。
こうして、動けなくなった狼は、二度と人を襲うことが無くなり、森には平和が訪れましたとさ。
めでたしめでたし。
「めでたしな訳あるかぁ!!」
狼が吠えましたが、お気になさらず。
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