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猟師のお陰で動物との遭遇率が下がった森で、赤ずきんは狼に出会いました。
「赤ずきん。こんにちは」
「あ、こんにちは」
「どうしたんだ?この森には怖い狼が住んでて危ないんだぞ?」
「あれ?狼って真晝さんじゃ…」
「あ、ああ…違う狼なんだ」
「そうでしたか。今からお婆さんのお見舞いに行くんです」
「お婆さんのお見舞いかぁ。あっ!そう言えば、あっちに花畑があったぞ。お見舞いなら花がなくちゃな」
「え…でも、寄り道するのは…」
「良いって。ちょっとくらいなら。てか、行かなきゃ駄目だって。花がいる。絶対にいる!」
「はぁ…其処まで仰るなら…」
素直な赤ずきんは狼に勧められるまま、花畑に向かいました。
花畑に着くと、赤ずきんはせっせと花を摘んでいきます。
「どのくらい有れば良いんだろ…」
赤ずきんが花を摘んでいる間に、狼はお婆さんの家に先回りしていました。
お婆さんも食べてしまおうと考えていたのです。
「行きたくねぇな…。狼の末路を知ってる身としては、このまま逃亡したい」
駄目ですよ?狼さん。展開を知ってるからって逃げ出すなんて、一作品の主人公がする事じゃありませんよ。
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