赤ずきんは男の娘TAKE2

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狼は盛大にため息をついてから、お婆さんの家のドアをノックしました。 「開いてます」 狼はドアを開け、家の中に入るなり、お婆さんに襲い掛かりました。 「がおーっ!!」 「腰が甘いです!」 突進してきた狼の足を払い、お婆さんは床に倒れた狼を組み伏せました。 「いててっ!?ギブギブ!!」 「もう少し腰を落として突進しなければ、赤ずきんにも勝てませんよ」 「何で婆さんと取っ組み合いまでしなきゃなんねぇんだよ!赤ずきんのストーリー通り進める気は無いのか!?」 「すみません。つい」 ちょっとハプニングが有りましたが、お婆さんは狼に食べられてしまいました。 「出番少なくないですか…?」 「元からそんなもんだよ。婆さんの立ち位置は」 「ふむ…では、これを」 そう言って、お婆さんは狼にネグリジェと眼鏡を渡します。 「何これ」 「お婆さんセットです。これを着れば、誰でもお婆さんになれる優れものですが、狼が着るとお婆さん擬きになります」 「うえー…着たくねぇ」 「赤ずきんのストーリー通り進めるんですよね?」 「言われなくても、言った事の責任くらいとる!」 狼はお婆さんの服に着替えました。
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