赤ずきんは男の娘TAKE2

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「姉上…切って良いのは、狼の着ぐるの布だけですよ?包丁じゃ切りにくいと思いますよ」 このままでは、狼の中の人が危ないと感じた赤ずきんが、フォローを入れました。 「えー…良いアイデアだと思ったんだけどなぁ」 猟師は不満そうにしながらも、鋏を持ってきて、狼のお腹をチョキンチョキンと切りました。 すると、中から赤ずきんとお婆さんが出てきました。 「猟師さん、ありがとうございます」 「はぁ…このまま死ぬかと思いました。色んな意味で」 「大丈夫だよ!内臓は避けるつもりだったから!」 胸を張って言う猟師に、お婆さんはやれやれと、ため息をつきました。 「で、この後はどうすんだっけ?」 「先ずは石ですね…。それを狼に詰め込みます」 三人は狼を懲らしめる為に、狼のお腹に大量の石を詰め、 「姉う…猟師さん、石が多過ぎます!中の人が死んじゃいますよ!?」 「テヘッ☆」 赤ずきんが良心から石を減らして、お腹を縫い合わせました。 「いやしかし、石に潰されて圧死しそうな状況で、尚も寝た振りを続けるなんて、彼は意外に根性がありますね」 お婆さんが感心して言いました。
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