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そして、狼が起きるのを待つ為に、三人は物陰に隠れました。
「ふぁ~。良く寝たなぁ。何だか、喉が渇いたな…」
どっこらせ…と、ベッドから立ち上がろうとした狼は、そのまま前に転んでしまいました。
「重っ!ちょっ…これ、無理…!立てねぇから!!」
減らしたにも拘らず、まだ石の量が多かったようです。立つ事はおろか、起き上がる事すら、出来なくなってしまいました。
「え、どうしましょうか…」
「鍛練が足りませんね」
今後の展開を真面目に悩む赤ずきん。
現代っ子の軟弱さに呆れているお婆さん。
「ねぇねぇ!これ、撃ってみようよ?」
そして、猟師は意気揚々と、猟銃を手に取りました。
見事に考えている事が、バラバラです。
「姉上、さっきから真晝さんを殺す気なんですか!?」
「悪い狼だから、もうまんたい!」
自信たっぷりのキラキラした眼で、猟師は言いました。
「いやいや、それ役だから!真晝さんは悪くありませんから!」
赤ずきんが必死に説得します。
苦労性な弟さんですね。私、涙が出そうです…。
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