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「え…あ。すみません」
狼はすんなり道を開けました。
いやいや、素直なのは良いことだけど、狼としてどうなの?それ。
「あ、そうですね。じゃあ…がおー!食ってやるぞー」
「これでも食ってろ」
「ひっ」
赤ずきんから差し出された『それ』を見るなり、狼が後退りをしました。
赤ずきんの手には、可愛らしい兎が首根っこを掴まれて、プルプル震えています。
赤ずきん…いつの間に捕まえたの?と言うか、心優しい赤ずきんのする事じゃ無いから!狼も兎を怖がらない!!
「無理です!動物恐怖症なんです!」
ガタガタ震える狼に、赤ずきんはため息をついて、兎を放しました。
「冗談だって。お腹空いてるなら、クッキー分けてあげるよ?」
「す…すみません。頂きます」
テッテレレ~♪赤ずきんは狼を手懐けた!
狼が仲間になった!
…もう何でも良いですから、先に進んでください。
クッキーを食べて空腹を埋めた狼は、赤ずきんに言いました。
「この森には、獰猛な動物がたくさんいるんですよ。特にボス熊は、とても危険な奴です」
「熊か…。遭遇したら、ちょっと勝てる気がしないな」
赤ずきんは悩みます。
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