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「が…がおー!!」
狼は両手を頭上より高く伸ばし、精一杯の雄叫びを披露しました。
「きゃあっ!?」
「狼だわ!!」
女の子達が悲鳴を上げます。
「いやぁん!可愛い~っ!!」
「もふもふしてるぅ~」
「えっ…あれ!?何で怖がってくれないんですか!?」
狼…正確に言えば、狼のコスプレしてる可愛い男の子に、女の子達は堪らず殺到しました。
「モブまで予定不調和とか…いや、ある意味予想通りというか…」
「傍観してないで、助けてくれ!」
「何で、赤ずきんは無事なんですか!可愛い代表ですよね!?」
「真晝のファンクラブの子には、嫌われてる設定だからじゃない?(笑)」
赤ずきんは身動き取れない猟師から猟銃を奪い、狼を女の子達から救って、狼を連れて森に向かいました。
猟師はやっぱり助けませんでした。
「何でだよ!?おいこら、親友!」
「良いんですか?放っておいて…」
「いつもの事だから」
笑いながら先に進もうとした赤ずきんに、
「薄情者!お前のその女装姿をお袋に暴露すんぞ!!」
猟師がそう叫びました。すると、赤ずきんがぴたりと歩みを止めました。
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