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ゆっくりと目を開ければ、漆黒の空間。
天井と壁と床の境目は無く、ただそこに黒が存在しているような、そんな空間であった。
「これは……」
「いらっしゃいませ有栖川深音様」
不意に聞こえた声に反射的に振り返ると、そこにはソファに腰掛けた女性がいた。
イヤホンマイクを着け、髪をアップにしたその姿は、オペレーターのテンプレートのような姿であった。
「”Spirit Extermination Application”、通称”S.E.A.”へようこそ。私はナビゲーターを務めます、アリスです。以後お見知りおきを」
そう言うと、女性―-アリスは微笑む。
そして、深音をソファに座る様に促した。
警戒して座らない深音だったが、笑顔のまま全く喋らなくなってしまったアリスに、埓があかないと思った深音は警戒したままソファに腰掛けた。
「では、簡単にこのゲームの主旨を説明致します」
まるで深音がソファに座るのが合図だったかのように、アリスは口を開く
それと同時に、彼女の背後に巨大なモニターが出現した。
所謂オープニングというやつだろうか。
実写と見まごうほどの美麗な映像が流れだした。
それと同時にアリスは再び口を開く。
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