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少し朝晩は肌寒さが出てきた11月。
私の通うキャンパスでも、今年も有名な銀杏の木々が色づき始めた。
就職先も決まり、後は卒業を待つばかりだけど、目下の悩みは恋人である遼ちゃんへのクリスマスプレゼント。
幼馴染期間を含めて付き合いが長すぎるから、もうほとんど思いつくプレゼントは渡しきってしまった。
「ねぇ、何がいいと思う?」
親友のみおに聞いてみても、いつもそっけない返事しか返ってこない。
「本人に聞いてみればいいじゃない」
「知ってたら楽しみが半減しちゃうもん」
「それなら自分で考えなさい。萌が選んだものなら何でも嬉しいと思うよ」
あっけなくみおはバイトがあると言って帰ってしまった。
考えて思いつくくらいなら最初から聞いたりしないっての。
さっさと門を潜っていく後姿を見送りながら、不貞腐れてみても何も浮かばない。
どっちにしても今年は就活で忙しかったから、アルバイトもほとんど出来なかったし、たいしたものは買えないんだけど。
それでも少しでも気に入ってくれるものを贈りたいと思うのはせめてもの乙女心。
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