雨と猫

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軽快に渋滞の波を縫って、車なら30分かかる道のりも、バイクだと15分でついてしまう。 「ありがとう」 「どういたしまして」 隣同士の家の前でバイクを降り、ヘルメットを取ったところで会いたかった遼ちゃんが帰ってきた。 「遼ちゃんおかえり」 淳にヘルメットを投げつけるように返して、遼ちゃんの胸に飛び込む。 「ただいま。萌、また淳の後ろに乗ってきたの? 危ないからバイクはダメだって言っただろ?」 「ごめんなさい」 「しょうがないなぁ。でも、もうだめだよ」 「はぁい」 心配だからと言われてしまえば反論の余地はない。 「そこのバカップル、みっともないからいちゃいちゃするのは中に入ってからにしてくれよ」 そこでここがまだ家の前だということに気付く。
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