尊厳

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「お早うございます、マクシムさん」  それを聞いたマクシムは挨拶を返し、ロッカーを開けて白衣を取り出した。一方、それを見たアランと言えば、白衣のボタンをはめていく。  アランは、白衣を着終えたところで本を取り出しロッカーを閉める。そして、その本をマクシムに見せると、微笑しながら言葉を発した。 「返す本があるので、先に行きますね」  そう言って部屋を出、アランは資料室へと向かっていった。彼は、本を返すとマクシムの元へ向かい仕事を始める。  そして、二人は仕事が一段落したところで資料室へ向かい、そこで何時もの様に会話用の部屋へ入った。この際、彼らはそれぞれに資料室内の本を持ち込んでおり、マクシムはアランの顔を一瞥してから言葉を発する。 「ところで、アランさん」  それを聞いたアランと言えば、声のした方へと顔を向けた。その一方、マクシムは淡々と言葉を続けていく。 「借りていた本は、面白かったですか?」  そう言って首を傾げ、マクシムはアランの返答を待った。すると、アランは大きく息を吸って目を細める。 「面白かったと言うより、色々と考えさせられました。童話には、様々な教訓が含まれていると聞いていましたが……想像するのも恐ろしい場面があると言いますか」  そこまで話したところで苦笑し、アランは話を続けていった。
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