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しとしと、雨が降る。
まだ六月に入ったばかり、
梅雨にはまだ少し早いのに
飽きずにもう三日も
雨は降り続いてる。
「嫌だな、ジメジメして」
いつの間にか目を覚ました
慎ちゃんが、私の髪を撫でながら
ふてぶてしく呟いた。
雨の嫌いな慎ちゃんは、
いつもそう言って雨音を避けるように
カーテンを閉める。
「私は、好きだけどなぁ...」
この雨が、私は好きだ。
「変わってるなぁ、お前。
ジメジメするし、髪ハネるし
いいことないのに」
だって慎ちゃんは、
「慎ちゃんに会えるから、好き」
雨の日にしか会いに来ないから。
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