プロローグ

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智笑「美樹が言ってたから…」 立ち上がった僕の身長より 頭一つ分位背の低い彼女は 僕の胸元で囁くように呟いた 智笑「きっとミヤくんは… あの子は私が死んだ時に泣けないだろうから そして、そんな自分を責めているはずだから…って」 僕はその言葉を聞いて呆然としてしまった 智笑「だから、自分を責めないで… あなたが悲しんでくれているのは 全部、知っているから…」 どうして…姉さん 姉さんはどうして… どうして、僕の今の気持ちを… 分かってくれているの…? どうして、自分が死んでからも こんなにも僕を助けてくれるの…? 智笑「ゴメンね、ミヤくん… 先に逝っちゃって… だけど、一人ぼっちじゃないからね お姉ちゃんがずっと傍にいるから ミヤくんのことを見守っているからね」 顔を上げた智笑に何故か 微笑んだ姉さんが重なって見えた… 智笑「美樹が美弥くんに伝えてくれって言ってたから」 そう言って、彼女は姉さんと同じように そっくりな微笑みを浮かべた 僕「……っ…」 姉さんの遺してくれた言葉がきっかけとなり涙が溢れ出てくる 僕「…うっ…わぁぁ~~ん!!」 智笑「……よしよし…」 子供のように泣き叫ぶ僕を 智笑はずっと抱き締めあやし続けてくれた
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