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僕「……ありがとう…」
どれくらい泣いていただろうか…
ようやく僕の涙は止まり僕は智笑に呟いた
智笑「もう…大丈夫?」
僕「うん
ちゃんと泣けたから大丈夫」
智笑「なら、良かった」
そう言って微笑んだ顔の近さに驚き
抱き締められていたことを思い出し
今更恥ずかしくなった僕は
僕「…~~っ…ゴメンっ…!」
いつの間にか自分からも抱き締めていた腕をほどき
彼女をそっと押して引き離した
智笑「??」
彼女は何故か首を傾げていたけれど
素直に離れてくれた
僕「気遣ってくれてありがとな
ちょっと…イヤかなりかな?
カッコ悪い所見せちゃったかもしれないけど…」
さっきからの恥ずかしさをごまかそうと
ちょっと苦笑い気味にそう言うと
彼女は首を振りながら
智笑「別に気にしてないよ
それにカッコ悪くなんてないし」
と、言ってくれた
僕「そうかな…?
男が泣くなんて恥ずかしいと思うけど…」
智笑「大切な人を失って泣かない人はいないよ
むしろ平気な人の方がおかしいと思う」
僕「そっか…そうかもね…」
そう言ってもらえて僕はホッとした
僕「ありがとう…智笑さん」
智笑「どういたしまして
それと智笑でいいよ?
さん付けはあんまり好きじゃないから」
僕「あ…分かっ…たよ…智…笑…」
何故か呼び捨てにするのが恥ずかしくて
少し詰まってしまった
どうして…なんだろう…?
こんな気持ちは…初めてだった…
姉さんを失ったその日…
僕は生まれて初めて…恋をした
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