汝は何を以て睡りにつくのか

序章～高校初日～第１幕・朝→入学式、その後

自分の精神疾患や精神失陥はさておいて、脇役談議の話だったか。
朝の通学路でのラブコメ的展開と言えば、パンを咥えた美少女との衝突、朝から不良・ナンパの類が挙げられる。
この頃のトレンドは後者のようだが、両者とも現実的ではない。
何故なら、登校時間というのは、衆人観衆の状況であり、また、皆時間に追われて独特の緊張感を放っている。
一般人は助けないと言うのが通例だが、実際は、無言の圧力が数の暴力で振るわれ、そこだけ空気が異常に浮くのだ。
仮に遅刻ギリギリだとしても、学校に向かって全力で走る者にとっては、文字通り眼中にないし、最悪の場合、迷子だとしても、最近のケータイはGPS機能は標準装備なのだから人手はいらない。
その上、もし万が一成功してしまった場合、その相手は、学校においてサボり常習犯の称号を得ている必要があり、つまりは不良であることが必須条件。
でなければ、朝から妙に馴れ馴れしい不誠実そうな男に着いて行こうなどと思わない。
つまり、朝から発生するラブコメ的イベントは限られている。

そう、俺の遥か後方に居る数人の美少女に纏わり着かれたイケメンが、周囲の人と時間と空気の流れを感じられていないのは、鈍感スキルをもつラブコメならば仕方がない。

ちなみに、パンを咥えた云々は、コンビニでサンドイッチかおにぎりを買って、学校についてから始業前に食べればいい。