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教室に着くと、既に半分ほどの生徒が座っていた。
俺も比較的早い方だとは思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
…知人が居ないことは寂しくない。
朝の挨拶には、おはようございます、をチョイス。
無難な言葉なだけあり、普通に返ってくる方々からの応答を聞き流し、教室前面の黒板に貼られた紙を見る。
内容は入学式のプログラムと、教室の座席についてだった。
どうやら、まさかの自由席らしい。
ここで窓際最後尾を選択するのは愚の骨頂と言うのが俺の持論だ。
俺のベストは廊下側最後尾だ。
最後尾の隅の利点は窓際のままに、教室を出るのに最短にして、最適だからだ。
もう一つ、窓際は方角によるが、太陽光が暑すぎる。
あの熱は頭が沸騰する、マジで。
少なくとも考え事をする席ではない。
ということで、教室の真ん中に集まっている連中を迂回して席を確保。
数人から向けられる好奇の視線がウザったかったが、バッグから取り出したマンガを読み始めると、クラスから俺への興味は霧散した。
ちなみにマンガの内容は、褐色肌の少年兵が白すぎる武器商人と旅をする話だ。
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