メッセージ

ホスト

｢シュン、どこ見てるの？｣

右隣りに目線を移すと、横から俺の顔を覗き込むようにしかめ面をしている美和の姿があった。

｢いや、何でもないよ、それよりこんなに高いシャンパンありがと!!｣

｢いいんだよ、これくらいしていかなきゃナンバー入りできないでしょ？｣

目の前のテーブルにはクリュッグというシャンパンのロゼが置いてある。
ちなみに15万。

シャンパンの種類も味も様々だが、原価云々の話は差し置いて、ホストクラブという場所でのお酒は篦棒に高い。

一杯のお茶が1000円で出されるのが普通で、なぜそこまで高いかと聞けば、ホストは自分を売る仕事で、自分の価値が売上と給料に繋がるからだと。

まぁ半分理解はしたが、それにしても高い…。

｢お前の価値はそんなもんか？｣

と言われても、

｢俺の価値ならお茶を2000円で出せる｣

とかそんな事口が裂けても言えません。