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少しの間を置いてようやく静香が口を開いた。
「彼氏が来た」
『修羅場』
そう思いながら静香からの話に耳を傾ける。
「たまたまあたしのいる店に来たんよ、向かい合うまで気付かへんくて、向かい合った時血の気が引いた、まさか彼氏が来るとは思わんかった」
そう言って静香の目にはうっすら涙が浮かべられた。
続いて話す。
「その場で彼氏は絶句した、無言のまま部屋に通したんやけど、そしたらいきなり張り手でひっぱたかれてん」
よく見ると静香の頬は叩かれた事により、少し腫れて赤身を帯びていた。
店内は暗く化粧でごまかしている為、言われるまで気付かなかった。
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