始まり

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「飛ばせ~!!!」 「無茶言わないでよ!」 「もうちょっとで学校だよ!!ほらほら頑張って~!」 ホームルーム五分前。 ギリギリで間に合った私達は急いで教室まで走る。 毎朝、春には感謝しなきゃな~。 先生の連絡を聞き流しながら、そんなことを考えていた。 短いホームルームが終わり、授業の準備を始める。 今日の一、二限は日本史の授業。 春と私は歴史好きな為、日本史の授業がある日だけは絶対に遅れないようにしていた。 キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴り先生が入ってくる。 「今日の授業は……幕末についてだ」 やった~!!幕末といえば新撰組だよね! わくわくして、教科書を開く。 特に意味も無いのに、"新撰組"や"池田屋事件"など、新撰組に関わることには全てマーカーを引いてある私の教科書。 以前、こっそり春の教科書を見ると、同じく幕末に活躍した"高杉晋作"や"奇兵隊"という言葉に、マーカーが引いてあったのは今でも覚えている。 ふと春を見ると嬉しそうな顔をしていた。 『吉田稔麿でてくるといいな』 なんて考えているんだろう。
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