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並んで深々と頭を下げた二人の背後の窓-
そのすぐ外側を-
人が落ちていく。
なにも知らない二人が頭を上げると、
ドオオ!
と衝撃が走った。
「!」
二人、何事かと顔を見合わせた。
静寂の中、どこからか-
クスクスと笑い声。
「ひっ!」
ハイオクマンタンは震えながら暗い通路に出てきた。
「ゼッテーやべえよ…このビル…」
「しっ」
前方の部屋で、
なにやら気配がする。
微かに人の話し声や物音が聞こえる。
二人、足音を忍ばせてその部屋に近づき、
ドアのない入り口からそっと中を覗き込んだ。
「!」
そこに-
老夫婦がいた。
廃墟と化した部屋に不釣合いな立派なテーブル。
そこで老夫婦が食事している。
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