第三章 壬生の狼…

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俺と山南が公園につくなり、すでに4人の喧嘩は始まっていた…。 永倉と原田はその見かけ通り… 豪快でパワフルな喧嘩をする。 どこかいっちゃんタイプだ…。 正直、斎藤や総次の方が手数は多いが、一発でそれをチャラにしてしまうぐらいの破壊力… 俺もいっちゃんと組み手をしている時に手数だけは多かったもののすぐにチャラにされていたっけ…。 さらに永倉に関しては防御がうまく、斎藤の仕掛ける急所を全てうまくガードしている…。 ただの喧嘩好きとは違って、頭も使っているようだ…。 原田は逆に初めから防御を和えて捨て、自分の攻撃のみに力を振るう…。 性格上なのか…? いや…おそらく自分のタフネスに自信があるのだろう…。 斉藤も総次もスピードを活かした喧嘩をしている…。 永倉にうまく防御されるが、確実に急所を狙っている…。 その為か何度か細かいフェイントをいくつか入れている。 正直、俺がアイツに勝ったのはマグレじゃないかと思いたくなるほど…うまい。 総次にしても…さすがというか… 天才だけはある…。 事実…総次は3ヶ月しか空手をやっていなかったにも関わらず、その型はすでに黒帯級…。 独自の喧嘩も踏まえて、空手喧嘩として完成している…。 キレも半端ではなさそうだ…。 そして俺はこの4人の喧嘩を見て核心した…。 この4人は俺が求める本物の男達だ…。 この4人に俺と山南が加われば間違いなくチームとしての土台は強力になる…。 さらにそこにいっちゃんが加われば… 俺は本気で喧嘩をしている4人を余所に… まるで子供が遠足に行く前日のようにはしゃぎたくなっていた…。  
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