切望

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「聞いてもいいかな?」 大学からのいつもの帰り道、僕は思い切って彼女に訊いてみた。 「なに?」 彼女が僕の方を見た。 黒く長い髪が風で顔にかかる。 彼女の顔をきちんと見たくて、その髪をそっと除ける。 何の気ない行動だったが、彼女は頬を赤くし、少し目を伏せた。 それを見て、僕も何だか気恥しくなった。 いや、そんな表情を見せる彼女が可愛かったからかも知れない。 「君は…僕といて楽しいかい?」 「え?」 「僕は特に面白い話をする訳でもないし、女性の扱いも知らない。 君が僕といて楽しいのか疑問に感じてさ。 僕はもっと君に何かしなきゃいけないんじゃないのかな。 君は僕に何を望んでる?」  
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