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ハナちゃんを起こさないよう、慎重におんぶしながら体育館の前まで着いた。
真琴が振り返りハナちゃんを見た後急に真顔になった。
まぁ、何時も無表情で無愛想なんだけどね。
「春海、ハナを俺に渡すか起こして自分で歩かせろ。」
「え、ヤダ。」
「即答かよ…。」
だって手放したくないもん。
「お前がハナを背負って入ったら絶対注目されるだろ…。ただせさえ、スポーツ全種目を全国制覇したっつう、マジでありえねぇ化物じみた事をした後だろ。流石にハナが可哀想だ。」
俺、馬鹿だけどスポーツだけは凄く得意なんだぁー。
化物ってヒドいなぁ。
「でも真琴だって学年首席だし、挨拶ボイコットしたし、それまた学校一の不良じゃん。いっしょだよー。」
この前全校集会で校長先生殴って退出させられてたし。
確かあれって新就任の校長先生がハナちゃんの事マイクで怒ったんだったっけ…。
ハナちゃん、集会に遅れて参加して爆睡したしね…。
他の教師達はそれが当たり前だからあんまり注目しないんだけど。
きっと真琴が怒ったんのは、ハナちゃんの容姿について言われたからだと思う。
ハナちゃん、ハーフだから髪と目の色素、凄く薄いんだ…。
それで校長先生が染めてるんだろって…。
容姿の事言われるの凄く嫌がるんだ…。
でもハナちゃん、何も言わずずっと黙って無視してたんだよね…。
それが気に触ったのか校長先生が舞台から降りて来てハナちゃんに掴みかかろうとしたんだ…。
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