学園の王様

3/10
前へ
/329ページ
次へ
「ちょっと…」 でも心の中の悪態なんて実際に吐けるわけもなく、ヘタレな僕は言葉を濁していた。 「親友に隠し事するなんてさいてぇだぞ!!」 最低もちゃんと言えない奴に攻められてる僕って… はぁ… 気付かれないようにため息を吐く僕。 もうやだ…疲れた… 早く部屋に戻りたい… そんな僕の思いもつゆしらず、 「多以良!!今から生徒会室に行くんだからな!!早くしろよな!!」 と怒鳴る転校生。 「僕は良いよ。疲れてるし…上條君に迷惑か「優って呼べよっ!!」」 ちっ…被せてきやがった 「…優君に迷惑かけちゃうし…」 「友達の誘いを断るなんてさいてぇだ!!良いから行くぞ!!」 ーガシッー 僕の腕を尋常じやない強さで掴み、歩き出した。 生徒会の連中は 「優は優しい」 とか言いつつ、ちゃっかり僕を睨んでいる。 メンドクサイったらありゃしない 。 その日、日付が変わるまで上條は騒ぎ、やっと解放されたのは夜の1時を回った頃だった。
/329ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1034人が本棚に入れています
本棚に追加