最後尾の君

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キーンコーンカーンコーン… 「一番後ろ、テスト回収してくれー!!」 ガタガタとイスを引く音が聞こえ、みんなが一気に喋りだす。 今日も手…きれいだな… 僕はテストを集める彼の手を見ながら、テストを手渡す。 テストの枚数を確認した先生が、ドアを開け立ち去る。 「神木(カミキ)ー」 「何だよ?」 彼は苦笑いしながら、友達の声に答える。 「テストまじやべー つーわけで、今日帰り何か食って帰ろーぜー」 「何だよそれ」 呆れたように笑いながら了承する彼。 「僕も行きたい!!」 可愛い彼の友達も彼にそう告げる。 「おっし!じゃーこのあとカラオケも追加だなっ」 「まだテスト中だぞ?」 「いいじゃん、行こーよ!!」 そんな光景を僕はただ見てるだけだ。 「立川、帰ろ?」 友達が僕に声をかける。 「あっ、うん。」 人気者の彼がこんな僕に話しかけてくれるなんて、あり得ないだろうけれど…。 それでもいつか彼から話しかけられる事を夢みて。 †end†
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