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「あっ…雨。」
あれから俺は自分の恋心を自覚して、親友に協力してもらい旭に告白をした。
「夏人?どうしたんですか?」
「ん?…いや、あの日も雨だったな…って。」
そして何度もアタックして旭と付き合うことが出来たのだ。
「あぁ…夏人と最初に会った日ですか?」
「うん。」
「あの2日後にまた会ったんですよね?ずぶ濡れになって帰ろうとしていた夏人に。」
そう言いながら、旭は意地悪く笑った。
「今はちゃんと傘、持っていってるさ。」
「当たり前です!!」
呆れたように笑うところはちっとも変わっていない。
「他の人から傘を借りてこられたら、不愉快です。」
ちょっと拗ねたように言う仕草は、付き合うようになってから知った事。
「何笑ってるんです?」
怒ったようにしているのは照れ隠し。
俺があの時黙っていれば、手に入れられなかった幸せがここにあって…
「幸せだよ、旭といられて。」
「なっ…夏人は何でそういうときだけ素直なんです!?」
真っ赤な顔の旭を愛しく思うこの瞬間(トキ)が幸せでたまらないのだ。
†end†
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