部活という名の第二話

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「こんにちは、郡山くんだよね?」 知らない顔だった。 それもそのはず生徒数3000人越えのこの学園で全員の顔を覚えてるわけがない。 「違います。廊下側の一番後ろの席のヤツが郡山くんですよ」 と嘯きながら教えてあげた。 すると彼は、 「あ、これはどうもすみません。それじゃ」 と彼は俺が言った通りに廊下側の一番後ろの席のクラスメートに話しかけていた。 真面目なヤツはからかっていて面白いな。 少しすると先ほどの彼がこちらにきた。 「やっぱり君が郡山くんじゃないか。時間を無駄にしたよ」 困った顔で彼は言った。 「俺は君との会話時間の方が無駄なんだけど?」 そういうと彼は渋い顔して話しを続けた。 普通そんなこと言われたら帰らない? 「僕は三年の道長 太郎。去年の学年一位だったんだ。覚えてない?」 覚えてるわけないだろ。たいして仲良くもなく会ったのは願いを言うときに一度きり。 しかも一年前だぞ。それに道長、お前も俺のこと忘れていたじゃないか。 それなのに俺に「覚えてない?」は少しおかしいんじゃないかい? 「悪いね、覚えてない。喋ったことないのに印象が残ると思うか?」 「それもそうだね。ごめんね」 俺は自分がされたら嫌な態度をとっているのに怒らないとは人ができてるな。 さすが去年の学年一位。
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